「200年住宅」ってどうだろうか?



日本の住宅の平均寿命は30年程度ということは、
誰もが知る事実であり、現実です。



折角新築したのだから、
一日でも長く住み続けることに反対する人はおりません。



しかし…



現在10年保証、
その時点で老朽化した部分を換えて、
更に10年保証を行なう。
そして次の10年も同じようにする。
というのが精一杯の頑張りです。




家を構成する住宅資材自体の
耐久性が10年程度であり、
また設備機器も次々と新しいものが出てくる。




そんな中で200年住宅構想は、
余りにも飛躍し過ぎでしょう。



福田首相は、
「スクラップビルドの繰り返しを止めて、
子供や孫の時代に受け継がれる家を造った方が、
国も国民もメリットがある」と言っており、
そうあって欲しいと思いますが。



しかし…



200年住宅を言い出す前に、
保証付の50年住宅構想であり、
現在有り余る中古住宅の流通活性化ではないのでしょうか。



200年後、今生きている人は誰も存在しません。
また、200年後には住宅そのものが、
どのように変化しているか想像すらつきません。



この絵空事のような200年住宅構想に直ぐに乗って、
沢山の住宅を売ろうとしている会社も少なくありません。



長持ちする家のお題目として重宝したとしても、
購入する人自体、200年も持つ家とは思わないでしょう。



将来どうなるか分からない家に、
それに見合うコストを掛ける人はいるのでしょうか。
また、造り手は200年保証を出すのでしょうか。



もし出すというのなら…
将来に全部ツケを回せばいいと考えている
商売優先の会社なのではないでしょうか。
「優遇税制」を使えるという
甘い言葉に乗せられる人もいるでしょう。




人工減が続き、
今の団塊世代の人が80歳を越える20年後には、
孫たちが3つも4つも家を相続する時代が来ます。

20年先には、新築数は大幅に減り、
現在ある中古住宅が更に老朽化して、
一部はリフォーム再生するでしょうが、
大半は相続税対策のために売却される運命と思います。




また…



今は2世帯住宅や
3世帯住宅もありますが、
介護施設の充実により、
より核家族化は進むと思われます。



子供に面倒を掛けられないという親の方が、
子供と一緒に住みたいという親より、
増えてきています。



また…



子供たちは、
親の面倒より子供の面倒を見なければならず、
できれば介護施設に入って欲しいと思っています。



先日、ある人から聞いた話ですが、
「母を特別養護施設に入れました。
3階建ての住宅を売却して、マンションに移りたい。
そこで近くに住む孫の面倒を見る」と言っていました。



子供さんはアパートにいます。
200住宅を求める人より、
今の家を長持ちさせることを考えているか、
売却を考えている人の方が多いと思うのですが…



『いかがでしょうか?』